令和6年度 越年【臨時】質問コーナー

法事につきもの、お膳と晒(さらし)

『質問』
仏様のお供えにお膳を供えるのはわかりますが、晒はなぜ供えるのですか?

『回答』
 晒は、泉福寺鐘崎方言で「ぬれがえ」と、一昔前のおじいちゃん、おばあちゃんが申しておりました。布替え(ぬのかえ)がなまり、ぬれがえとなり、当て字も「ぬれ衣」と使うようになった模様です。
 ご質問の晒のお供えの意味ですが、布替え(ぬのかえ)の文字からもお分かりの通り、仏様の新しい着物を表し、衣替えのお供えとしております。仏様一霊に晒一反が基本ですが、冬にお亡くなりになった冬の仏様は寒いからと、一霊に何反も供えるご家庭や、子どもさんの数だけ供えるご家庭と、数はまちまちです。
 ついでに、仏膳も付け加えますと、仏前は精進料理でお供えし、煮物、あえ物、香の物(お漬物)、汁物、ご飯となり、仏様が食べる形で仏様に向けてお供えします。精進料理ですから、肉や魚は用いず、ただ人間の知恵は素晴らしく、植物素材で出来た、見た目もそっくりな肉もどきや、魚、うなぎもどき、はたまた刺身もどきまで売られています。このあたりではメジャーな商品として販売はされていませんが、京都辺りでは、なんちゃって食材がたくさん出回っています。故人様のお好きなものがあればそのようなものをお取り寄せになるのもよろしいかと思います。
 ちなみに、なんちゃって食材は、意外に触感、香り、味まで絶妙に再現されていますので、その匠の技も法事の席の会話の一つになるかもしれません。機会ございましたらお楽しみください。

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