泉輪 平成20年度盆せがき法要


やさしさと強さ

    やさしさは脆さもろさを覚え、
       強さは孤独こどくを知る
               
読み人知らず

子供をもつと、優しい人になれ、強い人になれ、
と、やまぬ願いを込め育てようと致します。
前回のお便りでも申しましたが、
良いことがあれば、それと同じだけ
都合の悪いことが起こり、
得れば同じだけ失うのです。

いくら、子供に優しさと、心の強さを
願い求めても、求めた分だけ
脆さと孤独を味あわせることになります。

それでも、人間として、この世に生まれし者は、
望むとも望まざるとも、
表裏一体の良い面悪い面を
人生の中で潜っていかねば、
これまた人間として成長しないのです。

御自身が過去を振り返ってみると、
悩みのトンネルに差し掛かった時に
不安にさいなまれたはずです。
しかし、潜り抜けたトンネルは、意外に短かった、
と笑って話せるものです。

その人生の経験の幅を誰もが、
若きこれからの人に
教え導いていかねばと痛感致します。
物事の楽しい面の裏には、
辛く、重い面があることを、
また逆に、望みを叶える為には、
辛抱が必要であることを、
若い人が知らなさ過ぎるのではないでしょうか。

折にふれ、生きることを学ばなければ、
これから益々増えていくであろう、
安易に人を殺める短絡的な事件
は減ることはないでしょう。

       輝空談