南無阿弥陀仏
暑中お見舞い申し上げます。
早いもので、
今年もお盆が近づいてまいりました。
お盆になりますと、
多くの檀家様がお参り下さり、
誠にありがたいものです。
小さな子供さんでさえも、
大人の見よう見まねで「なーむー」と
手を合わす姿に心癒されます。
その誰もが拝む際に口にする
「南無」「南無阿弥陀仏」について
今回はお話致したいと思います。
私はよくお念仏をして下さいと
事あるごとに申しますが、
お念仏とは「南無阿弥陀仏」と
お称えすることです。
では、この「南無阿弥陀仏」とは
いったいどういう意味でしょうか。
阿弥陀仏は阿弥陀様のこととは
お分かりのとおりで、
南無の意味が不可解になります。
これは、サンスクリット語の
”namas”の発音を漢字で当てたものです。
そもそもはお辞儀するという意味ですが、
宗教上転じて、帰命することと説かれ、
つまり「南無阿弥陀仏」とお称えすれば
阿弥陀仏に帰命します、
と言う意味になります。
それでは、帰命とは
どう言う意味となるでしょうか。
もともと我々の命は、自分のものではなく、
阿弥陀様から頂いているものです。
ひいて申せば命をお借りし、
この世で修行をさせて頂き、
修行終了と同時に寿命を仏様に
お返しすることを帰命と申します。
また、今はこの世に居りますが、
この世にいる間も仏様のこの命を
大事に使わせて頂いております、という
仏様への感謝の心も帰命に通ずるものです。
更に、ご先祖様やご家族の
すでに帰命した魂の安穏を
この世から願う心もまた、
帰命に通ずるものです。
ですから、人が亡くなりお命を
仏様にお返しすることだけではなく、
この世で生きていること自体が
阿弥陀様に帰命していることなのです。
あの世で帰命している多くの「み霊(たま)」と
この世で帰命している皆様とが
一つとなって過ごすことのできる唯一のお盆会を、
喜びに満ちて有意義に
お過ごし頂ければと存じます。
そして、感謝の心で「南無阿弥陀仏」
とお念仏され、
多くの仏様をお迎え頂ければと存じます。
合掌
輝空談