泉輪 平成23年度修正会にむけて



エコ環境


年末を迎え、お忙しくお過ごしのことと存じます。一年を振り返り、住空間から心身まで様々な締めくくりをされていることでしょう。それら取り巻く全てを環境と申しますが、その環境について考えてみますと、今はまさにエコの時代でございます。

しかし何気に使われ、環境の話題になると必ず出てくる「エコ」という言葉ですが、正確にはどのような意味かと調べてみましたところ、もともとはエコロジー(ecology)からきているようです。エコロジーとは生態学という意味で、生物の生活や環境学との関係、転じて「環境に良い」という意味に繋がるとのことです。


つまり「エコ」という言葉は、日本で作られた「和製英語」の様です。

このエコを地球規模で考えますのが、温室効果ガス削減目標で、G8(主要国首脳会議)で、各国が削減目標を掲げて努力致しております。温室効果ガスとはそもそもなんだろうかと、またそこから考えないといけないのが私のような素人です。今更のように調べてみますと、温室効果ガスとは、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、等といった物質で、産業革命以降、多量に地球に放出されたことで温暖化をもたらすとされております。


特に二十世紀に入ってから急速に増加しているようで、改めて国、企業、地域、個人がそれぞれの立場で、温暖化防止に繋がる様に活動を求められております。

我々が国や大企業の削減案を出せるわけではございませんので、やはり個人レベルで出来ることを考えないといけません。まずは、無駄なものを買わない、物は出来るだけリサイクルし、資源を無駄にしない、自然を破壊する行為はしない、といったところでございましょうか。

この中で、地域として活発に活動されておりますのが資源リサイクルです。


再利用できるものを分別し、資源を大切にする取り組みはこの宗像でも活発です。我が家でも地域の分別活動などに参加しております。 一週間の資源ごみの量は軽乗用車いっぱいになりますので、塵も積もれば多大なるリサイクル資源となります。

ところで、ここまでお話した内容は前置きでして、この泉福寺新聞「いずみ」は、当初ホッチキス留で綴っておりましたが、今は、ホッチキスの芯のない「紙綴」となっております。その名も「ハリナックス」です。芯の購入が不要になることに加え、分別が紙としてそのまま出せる点が魅力です。


しかし、中には「はずれ易い」や、ずっと「いずみ」は保管している為、廃棄しないので、今まで同様にホッチキスが望ましいという声も上がるでしょうが、エコに繋がる取り組みとして試行錯誤の試みと、長い目で見て下さればと存じます。

今でこそ環境のエコ化が進んでありますが、仏教は数百年前からエコの最先端を走っているのです。


例えば、線香の燃えカスは線香立の灰にし、蝋燭の短くなったものは溶かして成型し、長い物に作り替え、写経等の使用済みの和紙は壁紙に、僧侶の七条袈裟は古布の寄せ集めで出来たものが由来ですし、茶碗の洗い水節約の為に、白湯で茶碗を濯ぎ飲干す、無駄な蝋燭を灯さない為に、日の出とともに起床し、日没後には座禅、瞑想、念仏というように、自然の営みをそのまま生活に生かしていたものが仏教なのです。

確かに遥か彼方昔と、昨今では生活形態が違う為、昔のままとはいきませんが、仏教に習い生活することが、とりわけ自然な行いで、人間の本来の生き方が出来るのも事実です。


エコ=(イコール)仏教という一括りの定義は難しいものではありますが、しかし時に肩の力を抜いて深呼吸をしに、お墓参りやお寺参りをされて、仏教の空間に身を置くだけでも、ストレスが和らぐのではないでしょうか。

仏様は、誰しもを一途にお見守り見据えて下さる大いなるお慈悲の源です。暮れのお仕事が一段落したら、どうぞ一度お参り下さればと存じます。気づかぬうちに肩に力が入っていたことを、仏様が教えて下さいます。リラックスする最も簡単でエコな方法が、お参りなのではないでしょうか。

  合掌               輝空談