泉輪 平成18年度 春彼岸会

彼 岸 の 心

暑さ寒さも彼岸まで、とはよく言ったもので、極寒の寒さも和らぎ、
少しづつ春の気配を感じるようになりなした。
皆様にとりまして「お彼岸」とは、どのようにお考えでしょうか。
多くの人が、「何かよく分からないが、お寺に仏様参りをする年中
行事の一つ。」と、お答え下さいます。
そもそも彼岸という文字は彼方(かなた)の岸と書きますが、この
彼方とは、仏様の居られるお浄土(あの世)の事でございます。
即ち、お彼岸とは、お浄土(彼方の岸)に行ける様、この世で
七日間修行をしなさい、と、いう我々俗物への戒めなのです。
だからといって、いきなり滝にうたれ、ひたすら座禅を組む、
というのではないのです。
この時期は、気候の変わる時期であったり、年度末で多忙際まる時期
であったり、農家の方の田植え準備前であったりと、
体に変調をきたしやすい時期でもあります。
そこで昔から、この時期は日頃の不摂生を慎み、体調管理をし、
体だけでなく、心も日頃以上に修行と思って信心をするのです。
その心がけが、自然と足をお寺へと向かわせ、
仏様を拝む気持ちにさせるのです。今度御参詣の折には、
ちょっと今の言葉を頭においてお彼岸参りをすれば、
また違った仏様のお導きが見えてくるかもしれません