泉輪 平成20年度春彼岸会



春の訪れ

 梅のほころびと共に、春の訪れを感じるようになりました。
メジロが枝から枝に飛び交う姿は、
冬の終わりを知らせてくれます。

 この時期は、御家族の中でも、進学や就職、
はたまた定年や転職と、
一番移動の多い時節ではないでしょうか。
喜びに満ち溢れた御家族のお顔や、
永年勤続への感謝など、
様々な節目をお迎えになられた方も多いと存じます。

 その反面、通いなれた学び舎や、勤務先との別れ、また
御家族と遠く離れて暮らす独立などは、寂しさも伴います。

 人生の前進には、喜びがあれば、それと同じだけ寂しさや
悲しみが表裏一体であるものです。
そのときに、良い面に目を向けるか、
悪い面に目を向けるかで、
次に訪れるご縁がいささか違うようです。

 決して人生はたやすく渡れるものではありません。
むしろ、苦難のほうが多いかもしれません。
だからこそ、次のご縁を信じ、忍んでみて下さい。
冬の寒さも、いつしか春の暖かさへと変わるように、
辛抱はその先の良きご縁を導いてくれるものです。
辛くとも、乗り超えた人にだけ聴こえる、
心の仏様のお声が聴こえます。

今の季節がまさにそう教えて下さっています。
日本の四季とは、誠に有り難いものです。
                    合掌  
                      輝空