泉輪 平成19年度秋「お十夜法要」にむけて




生きるは何のために


  このところ世の中では、空前の健康ブームです。
 健康番組は各局競うように放映され、書籍に関しては、
 どれだけの人が執筆しているのだろうと、
 驚かされます。
  そして、取上げられる題材は多岐にわたり、
 体に良いとされる食品から、
 運動、環境、精神に至るまで様ざまです。

  また、この健康ブームに相反して、病気に関しては、
 色々な難病が発症、蔓延しております。
  それを究明する人間の技術に感動する傍ら、
 一昔前は、こんなに多くの人が
 病気に罹っていただろうか、と首を傾げます。

  世の中は、確かに便利になり、
 何でも簡単に欲求が満たされます。
 それと同時に、便利の後ろに隠れている害を
 体に流し込んできてしまったようです。
  食品は科学添加物が加えられ、
 自動車社会がスピードと同時に、
 運動不足をもたらせました。
  また、自由合理主義は人間から努力と我慢、そして、
 いつくしむ慈愛の心を遠ざけているようです。

  今、人間社会の環境は、確かに厳しく、
 すさんだように見えます。
 こんな世の中だからこそ、笑顔を絶やさず、
 希望を持ちたいものです。

  そして一日に一度でいいですから、手を合わせ、
 お念仏し、一日の無事を感謝して頂きたいです。
 その、一見無意味に思えるこの行為は、いつしか必ず、
 生かされること、この世に生まれてきたことへの
 無常の感謝へと変わります。
 そうすると、自分の感謝の心は、子や孫の身近な家族や、
 友人知人へと慈愛の輪が自然と広がります。
 このありがたい伝道こそが
 生きる意義であり支えとなります。

 生きるとは、
 自分から発する人への慈しみを智る為だと、
 思えてやみません。
                   念仏三昧