祝辞
拝啓 梅花の候、貴家様にはいよいよご清祥のこととお慶び申し上げます。
また、平素は泉福寺、並びに同総代会の護持に於きまして、ひとかたならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この度は、総本山光明寺に於きまして厳修されます加行の大儀に、泉福寺嫡男の弘円君が受けられることとなり、総代会と致しましても、誠にありがたく、且つおめでたく思っております。その慶賀の儀に伴い、僭越ではございますが、一言ごあいさつを申し上げます。
私ども総代会だけでなく、檀信徒全員の一致団結致しております心は、今を、そして子孫末代までも泉福寺が累代ご供養の念仏の場として継承されることを願い、日頃より心血を注いでおります。その我々の深い思いを理解し、努力の上に、弘円君が意を決っして本山修行に出向かれた時から、この加行の時が来ることを心待ちにしておりました。
私事ではございますが、泉福寺の総代となり、皆様のご支援を頂戴し総代会長までさせて頂き、二十二年の月日が経ちました。その間に、前ご住職をお見送りし、輝空照弘住職を支え続け、そして、次の世代のバトンタッチの礎となる弘円君の加行を自身の眼で見られることは誠に喜ばしく、総代会長冥利に尽きるというものでございます。同じく、檀信徒の皆様にも、この意をご理解下さり、弘円君の加行見舞いとして賛同の意を共にして頂ければと存じます。
今、総代会では急遽のことではございますが、本山加行見舞い参拝を計画致しております。皆様からお寄せ頂きました加行見舞いは、弘円君の加行満行時に身にまとわれます法衣に充てたいと思います。皆様の泉福寺と弘円君への信心を衣に願い込めて、それを身にまとう弘円君自身も、更なる思いで仏道を進んでくれるものと期待しております。
どうぞ、泉福寺の後継僧侶としての、弘円君の節目となる門出を皆様と共にお祝いし、そして今後とも泉福寺、並びに若僧侶に対し、変わらぬご鞭撻を下さいます様、伏してお願い申し上げ、弘円君加行のお祝いの辞とさせて頂きます。
合掌
平成三十年二月吉日
上報山 泉福寺 総代会 会長 入江 義晴
言葉にできない思いの今の弘円でしょうか・・多くの不安とほんの少しの誇りに、付き動かされながら、今を過ごしているようです。
覚えておられますか。上は、昔の「いずみ」掲載記述です。緑色のTシャツを着た子が弘円です。
平成23年の夏、確かに弘円は京都の地に居りました。その時に親子で会話したことを今でも鮮明に覚えているそうです。
「あんたも、いつかここで、あの人たちみたいに修行する身になるね」と母親の問いかけに、「そやね」と、とてもそっけなく答えたと、言っておりました。
そっけなかったのは、分かっているのに念押しされて頭にきたのか、何なのか分らないけれど不貞腐れたことを覚えているそうです。加行を前に、今もう一度その時のことを親子して思い出しております。
そして今回の「いずみ」を私にとっても弘円にとっても、一生忘れることの出来ない新聞となることは間違いございません。
輝空余談