≪住職・照弘(65歳)≫
萬斎の大学近くで萬斎と食事をしました。萬斎が、お父さんはいい人やん!とおだてるものですから、すっかり気分を良くした私は、いつもより多くお酒を飲んでしまいました。翌朝、起きたら、奥歯の差し歯が見当たりません!いつも入れるケースにもない!洗面所にもない!とにかく記憶がないのです!で、ハタと気づきました!もしや酔って差し歯を飲み込んでしまったのでは・?? 家内に知られたらエライこっちゃ!いや、そもそも飲み込んだ差し歯はどうなるのか、便で出る・・いや大きすぎるし、まさかの手術・・どうしようと悩み続けて、すぐに白状できなかった私は、翌日家内にいきさつを話しました。家内はせせら笑うように、食べるわけないやん、そんなに気になるなら病院でレントゲンを撮ってもらったら、というので神にすがる思いで病院に駆け込むと、異物は映っていませんでした。その間、家内は涼しい顔でホテルに電話をし、部屋番号を伝え、差し歯の忘れ物がないか問い合わせて・・結果、忘れ物で保管されており、着払いでホテルから送られてきました。差し歯と書かれずに日用品と書かれていたのは、ホテルのやさしさなのでしょう。勿論しこったま家内から怒られました。
≪副住職・弘円(25歳)≫
日本にハロウインという行事が入ってきたのは1970年代の頃のようで、まだ日本での歴史はそんなに長くはありません。でも、本来のヨーロッパの悪魔祓いという宗教儀式ではなく、子どもが仮装してお菓子をもらうという微笑ましいものとして保育の世界では定着しています。で、担任として衣装など考えないといけないのですが、不器用で絵心もなく、そんな自分が見本を作ると、なぜか、自分の場合、ハロウインの可愛さが表現出来なくて、日本古来のおばけになってしまい、一反木綿風、一つ目小僧的になってしまいます。お寺に生まれた環境が西洋文化を受け入れられない思考になってしまっているようで保育に悪影響が出ています。こんなのハロウインじゃない!へたくそぉ~!と、めちゃくちゃ先輩に怒られました。
≪三男・萬斎(19歳)≫
今年のお盆もバイトを入れず、棚経参りに帰ってきました。ほとんどの大学生は7月半ばから夏休みなのに対し、自分のようなタイプの、見るからに点数の取れていない学生が、人より長く大学に行き、個別の課題や提出物を出さないといけない羽目になります。それでも何とかお盆ぎりぎりに全てを終わらせ家に戻ってきたのがお盆の前日です。翌日からお盆参りをしないといけないのに、帰ってきた様は、頭は金髪のまま・・母親が黒のスプレーを買ってきて、お盆当日は真っ黒に見えるように噴射するだけ噴射してかけまくり、何とか黒くなりました。が、時は真夏の猛暑日。あふれる汗が頭からも噴き出し、その汗が黒スプレーを浮きだたせ、結果、墨汁となって顔に流れ落ちたのです。その汗をぬぐおうと汗を拭けば墨 汁と化した墨色の液体を顔に刷り込むようになり、且つ、着物の白襟は真っ黒で、その上、頭は金髪が見事によみがえり、顔は反してズズ黒く、ひっちゃかめっちゃかのチンドン屋になってしまいました。お参りに行った檀家様からも、「おまえ何やその恰好は」と言われるも、どうしようもなく、2日目からは黒スプレーを振ることなく金髪のままでお参りしましたことお詫び申し上げます。
≪宣子ばあちゃん(82歳)≫
ごはんを炊くことが私の役目の一つです。それを有ろうことか、お十夜法要の時に、二つある釜の内、お米を仕込んでいない釜のスイッチを押してしまいました。さあ食べろうとしたときに、釜を開けるとコメのまま、水が入ったままの状態で、驚愕してしまいました。でも、確かにスイッチの音がしたから安心したはずなのですが、それは空っぽですよ、とエラーの警報音だったようです。娘からは存分に嫌味を言われましたが、世話人の皆様の優しい慰めに救われました。もう失敗しないよう何度も確認し、怒られないように注意しています。一つの動作が遅くて皆様にはご心配をおかけいたします。でも、自分でできることは一生懸命します。娘にはコンチクショウ!と腹が立ちますが、孫たちがそんな自分の失敗を耳にしたら労りの電話をくれるのが有難いです。ゆっくり自分なりにがんばっていこうと思います。
※家内の掲載がないと毎回言われます。本人いわく、失敗がないので書くことがないと、厚かましく申しておりました。どこまで面の皮が厚いのでしょうか・・苦笑
今年一年お世話になりました。来年も変わらず宜しくお願い致します。