輝空のちょっと一言

年末を迎え、皆様にはお忙しくお過ごしのことと存じます。一年というのは本当に早いものです。
本年は、東日本大震災をはじめ、台風、異常気象と、やはり震災の一年だったのではないでしょうか。

各々の震災や事故で多くの皆様がお亡くなりになられたことを追悼し、残されましたご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。
喜ばしいことならば、大枚出してでも頂戴したいものですが、苦縁となるとどうしても受け入れがたく心の整理すらつかないものです。

人生は山あり谷ありとわかっているものの、谷に陥ることは本当に苦しいものです。
しかし、谷を下ってしまったことそれは同じく、登らないといけない未来という山が待っているということです。また人生の山というものは、生きている限り、必ず登れる山なのです。もうだめだと弱音を吐いても、泣き叫び立ち止まっても、時間という魔法の薬が、多少の寄り道と同時に、目指すべき道を導いて下さいます。

時間というのは、ただ月日が流れているのではありません。その中で人や物と出会い関わり、支えられ教えられ、心を鍛錬してくれるご縁の集まりです。今の一瞬から何かを学び、何かに気付かされて人は生きているのです。
その時間の中で苦しい関門に出合うのならば、更に厳しい求道精神が求められますが、その経験は深い教えと、人生の戒めを残します。

今、皆様は山のどの辺りに居られますか?もしくは、どれくらいの深さの谷を下ろうとしておられますか?人生の山を登ろうと胸膨らませておられる方は、頂上を目指すだけではなく、その頂上にたどり着いた後を、どのように安全に賢く下るかを今から考えなければなりません。

また、谷を下ろうとしている方は、絶望せず、むしろ下るからには必ず谷底があるのだと開き直り、出来るだけ危険を回避し、用心の上、下ることが賢明です。

今どの地に居ようとも、皆様が無事であること、そのことを知らなければなりません。そしてその無事を見守り与えて下さる御仏に感謝せねばなりません。
その感謝なくして次へは進めないのです。今の皆様の状況がどの形であろうとも、残り僅かの本年の無事を祈念し、また、明年の平和を案じ、共にお念仏下さればと存じます。

輝空

 

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