お釈迦様あるある お釈迦様キノコ

 お釈迦様は自分の死期が近づいたことを自身で悟られている頃、チュンダという人がお釈迦様にご馳走をしたいと食事を提供しました。その料理は「スーカラ・マッダヴァ」というものだとされております。お釈迦様はこれを食べて、まもなく死ぬであろうということは達観されており、事実その食事を食べられ、まもなく腹痛を起こされました。
 「スーカラ・マッダヴァ」という料理はいったい何だったのか、今でもはっきりしておりません。直訳すると、柔らかい豚肉となるようですが、豚肉料理ではなく、「スーカラ・マッダヴァ」に関するもう一つの有力な説があり、キノコではないかというのです。三大珍味の一つとされるトリュフというキノコは、豚が地面に鼻を擦(こす)りつけながら探しますから、豚のイメージと重なります。なにかそういった類のキノコの名前だったのかもしれないということです。いずれにせよ、お釈迦様がなにかを食べて食中毒を起こし、お腹をこわして亡くなったことだけは確かなようです。
 それにしても、偉大な宗教家であるお釈迦様の死因が食中毒とはなんとも人間くさい話です。そして私は、ここが仏教の素晴らしさだとつくづく思うのです。仏教は奇跡や神秘で成り立つ宗教ではありません。お釈迦様という一人の生きた人間が、悩んで迷って、試行錯誤の末に見いだした、言ってみれば「人のために人が見つけ出した宗教」です。その創始者であるお釈迦様が、最も人らしい普通の亡くなり方をするというところに、その仏教の本質がよく表現されていると思います。※『NHK100分de名著 ブッダ 最期のことば』参照
 そしてここでキノコとお釈迦様がクローズアップされましたが、実は「お釈迦様キノコ」というものがこの世にあるそうです。「正式な名称はコガネキヌカラカサタケ」という名で、生息時間が数日のため、滅多にお目にかかれず、その奇跡的な出会いに転じて「お釈迦様キノコ」と呼ばれているようです。
 またネットではご利益も書かれていて、見た人に幸運を運ぶ、ありがたいものと書いてあったり、キノコなのに花言葉があり、「幸せを呼ぶ」「高貴」「願いが叶う」と願ったりかなったりのキノコです。皆様も毒キノコに注意しながら、キノコを探してみてはいかがですか。お釈迦様にお会いできるかもしれませんよ。

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