早いもので、今年も僅かとなりました。皆様には慌ただしくお過ごしのことと存じます。本当に一年早いものです。余りに早く感じて、 一年を振り返っても、感想が持てない程です。ただ、多くの檀家様に 支えられ、一年無事に過ごせたことは、感謝致しております。
この泉福寺新聞「いずみ」も発刊して丸4年が過ぎ、来年で5年 目に突入となります。出来栄えがどうだったのか、皆様にどう親しん で頂いているのか案じている折、たまたまNHKのある番組が目に留 まりました。クラシック音楽の世界で、“奇跡の作曲家”と呼ばれる 被ばく二世の佐村河内守(さむらごうち まもる)さんのドキュメン タリーでした。
佐村河内さんは14年前に、両耳の聴覚を失うというアクシデントに見舞われますが、絶対音感を頼りに、80分を超す長大な交響曲第一番“HIROSHIMA”を書き上げられました。被ばく者の苦しみ、また再生への祈りが込められた交響曲は、全国各地で演奏され、人々に感動を与えているそうです。
佐村河内さんは、人間が当たり前に聞こえる全ての音が聞こえません。それどころか、聞こえてくるのは耳鳴りだけだそうです。でも、その耳鳴りというとてつもなく厚い壁の隙間をぬう様にして、小さな音が微かにしみ出てくると話されます。それを懸命に拾い上げると、素晴らしい旋律となって、音楽に魂が入るそうです。 また、その感覚は、音を無くした闇夜に身を置いている自分にとっては、一筋の光を見出すようだともおっしゃっておられました。闇夜だからこそ、その光は尊さを感じ、心が育つということです。
私もこの「いずみ」が微力ながらも皆様の一筋の光になりうるように、精進せねばと常々思っております。まだまだ愚僧にて、至らぬことばかりですが、どうぞこれからも親しくお付き合い頂き、泉福寺にお力添え頂ければと存じます。 末筆ですが、本年一年大変お世話になりました。明年も宜しくお願い申し上げます。合掌