冠省
皆様にはご清祥のこととお慶び申し上げます。過日4月24日総本山光明寺に於きまして講讃導師出座を無事に終えることが出来ました。これも偏に総代会はじめ泉福寺檀信徒皆様お一人お一人のご擁護があってからこそと深く感謝申し上げます。
泉福寺を出発した23日はシトシトと雨が降っており、当日このまま雨が降り続ければ法要の流れはどうなるのか、団体参拝に行かれる方のお足元はどうなるのかと心配致しておりましたが、当日は心を洗うような快晴となったのでございます。天気は晴れ、多くの檀信徒様にも参拝していただけた、あとはこの法要を自分が勤め上げるだけと腹をくくることが出来ました。とは言いたいところではございますが、実のところを申しますと、何度も練習を重ねていたにもかかわらず、内心は今更ながら自信がなくなり、何におびえているのか分からないほどの緊張がこみ上げてきていたのです。
そんな中でも本山内での時間は流れ、職員の方の案内で、泉福寺の檀信徒皆様との記念写真を撮る時間となり蓮生閣(れんせいかく)という控えの間に行きました。すると皆様全員が拍手でお迎えくださり、「和尚さん立派やね!」「和尚さん頑張ってください!」「和尚さん、和尚さん!」と満面の笑顔でご声援を頂いたのです。もうその声援を耳にしたらやるしかないのです。迷いや恐れなど言ってはいられません。
そして思い出したのです。その昔、講讃導師の趣意書を発送した際、副住職の弘円が「この妙縁を共に喜び、ともに感謝し、その仏心を父の後押しの力に変えさせてください」と書いていたことが、今、実際に、檀信徒の皆様とともに味わっているのだと思い返し涙が出ました。そしてようやく腹の底が落ち着き、本番へ集中することが出来たのです。泉福寺檀信徒の皆様のお力が私を救い励まし、安堵へと導いて下さったのです。
また、今回の講讃導師出座に伴い、七條という衣装を新調させていただきました。本来七條の柄は仏教教義、思想に基づく柄模様が多いのですが鐘崎といえばやはり何といっても「海」です。しかも穏やかな瀬戸内海や太平洋ではなく、玄界灘の荒波です。その波は、荒廃した世相、混沌とした経済、それでも人々が懸命に生き続けている今の世の中を、玄界灘の荒波がすべてを表していると思い、七條の柄を「海の波しぶき」と決めました。それが下記の図でございます。
法要当日その柄を見た檀家様が、自然と「鐘崎の海!」と声をあげられ喜ばれておられる姿に、この柄にして良かったと安堵したものです。そして何度も申し上げますが、皆様お一人お一人に心から感謝申し上げ、全てのご縁が有り難く、妙境の極みでございます。
この経験を今後の僧侶として残された時間に活かし、更なる精進をお約束いたしまして、簡単ではございますが書中より御礼のご挨拶とさせていただきます。
講讃導師を終えて
合掌